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【転妻の資格・スキル】保育士は転勤族でも就職しやすい?​​

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「転勤族の妻も、資格・スキルがあれば仕事ができるの?
「転勤族の妻が学んでいる&仕事に生かしている資格・スキルって何?」
こんな疑問にこたえるために、さまざまな資格・スキルを取得・習得して実際に働いている転妻のリアルな事例を紹介します。

今回は、保育士の仕事をしているMOMOさん(40代・鹿児島在住)にお話を伺いました。現在の仕事内容、やりがいや難しさ、資格取得のためにどんな勉強をしたのかなどを紹介します。

※記事内の情報は2023年8月現在です。

MOMOさんアイコン
MOMOさん
MOMOさん(40代)

【出身地】関東
【転勤歴】北関東→南九州→北九州→鹿児島
【家族】夫、子ども3人
【好きなこと】ものづくり、お笑い番組を見て笑うこと

mia|ミア

この記事は「転妻インタビューライター養成プログラム」の受講生さんが取材・執筆しました!

ライター_プージャ

【取材・執筆】プージャ

Webマガジン「転勤族の妻のお仕事」ライター。転勤族歴10年超の3児の母。新婚当初からインド、ブラジルと夫の海外駐在に帯同。子どもと夫のケアに追われてないがしろになっていた自分のキャリアを取り戻すため、在宅でライターを始める。FP2級や相続診断士の資格を取得し、終活・教育分野を扱うライターとして活動中。

転勤族の妻でも保育士の仕事はできる?

保育士は人手不足!需要が高く就職しやすい!

――MOMOさんの現在の働き方を教えてください。

私は現在、認定こども園でパートとして働いています。勤務日は月に15日ほど。シフト制なので早番か遅番かで変わりますが、勤務時間は平均1日5.5時間です。夫の扶養内で働いていて、安定して収入を得られているので満足しています。

私の子どもは幼稚園児なのですが、実は私が勤務している園に通っています。早番・遅番のときも一緒に登園できるので、スケジュール管理や通勤は楽ですね。

「認定こども園」とは?
教育・保育を一体的に行う園のうち、都道府県などから認定を受けた施設。幼稚園(教育)と保育園(保育)の両方のよさを兼ね備え、就学前の子どもに幼児教育と保育を提供しています。

――MOMOさんは転勤のため、何度か就職活動をされているそうですね。保育士の就職活動はどうでしたか?

私は保育士として2度の就職活動を経験しました。タイミングとしては、一番下の子どもが1歳のときと4歳のときです。就職活動を通して感じたのは、保育士は就職先を見つけやすいということ。求人はたくさんありました。また、地域によって違うのかもしれませんが、保育士は保活でも有利です。保育士が自分の子どもを預ける場合、待機児童がいても優先的に入園できました。

イメージ_保育園

最初の就職活動では、自分の勤務先と子どもの預け先のどちらを先に決めればいいのかわからず、ハローワークに相談したところ、どちらも並行して進めるように言われました。そこで、子どもの預け先を決めるために認定こども園や保育園など6つの園を見学。よさそうだと思った園で保育士の求人が出ていたため、「実は私は保育士で、パート勤務できるところを探しています」と申し出たら、すぐに採用してもらえました。

2度目の就職活動では、引っ越す前から転居先(鹿児島)の保育士・保育所支援センター(保育士として働きたい人と保育園をつなぐ公的機関)に登録したのですが、登録してすぐに電話がかかってきたのでびっくりしました!まだ住む場所も決まっていない時期だったので、一度話を止めてもらいました。鹿児島ではそれほど保育士が足りない状態だったようです。

――実際にどのくらいの期間で就職しましたか?

鹿児島に引っ越したのは2022年の7月で、9月から働き始めました。このときもまずは子どもの預け先を探し、夏休み明けから認定こども園に入園することが決まりました。この園ではパート保育士の求人は出ていなかったのですが、入園の手続きの中で就職活動のことを伝えると、採用してもらえることになりました。

実際に働いてわかった保育士の難しいところ

――転勤族の妻が保育士として働くうえで、どんな難しさがありますか?

私は2つの認定こども園で働いた経験があるのですが、園によって方針が違う点に難しさを感じました。

一口に認定こども園と言っても、もともと保育園だったのか、それとも幼稚園だったのかなど、成り立ちはさまざまです。そして保育園と幼稚園は役割が異なります。保育園は保育に欠ける子どもをお世話する場所ですが、幼稚園は子どもを教育する場所です。だから園による違いが大きいんです。また、パート保育士に求められる仕事内容も園によって変わってきます。特に転勤族で新しい土地に来たばかりの人は土地勘や情報が少ないので、職場選びは難しいですね。

イメージ_保育園

――保育士というお仕事そのものの難しさはいかがでしょうか?

保育士は子どもの命を預かる仕事なので、常に隅々まで目を配らないといけません。夏休み期間などは、1人の保育士が担当する子どもの数が通常より増える場合もあるので、より難しさを感じます。私の場合、1人で15人前後を保育していた日に、ピアノを弾いている最中に2歳の子がお友達を噛んでしまったことがありました。自分の配慮不足に反省し、保育の難しさを実感した出来事です。

たとえ保育士の資格を取得したばかりで経験がなくても、保育者の1人としてカウントされます。当たり前かもしれませんが、保育士はとても責任の重い仕事です。

――保育士をやっていてやりがいを感じる点はどこですか?

大変な仕事ではありますが、子どもたちの成長を間近で見られるところにやりがいを感じます。落ち着きがなくて集団生活に不安を感じていた子が、年長の運動会や卒園式のときは頼もしい姿を見せてくれることがあります。子どもたちが短期間で成長していく様子はとても感動的です。

保育士の資格はどうやって取得した?

難しかった保育士試験 通信教材とピアノ教室で勉強

――保育士の資格取得までどのくらいかかりましたか?

私が取得したのは第2子を出産した後で、当時の試験は1年に1回実施され、9科目を3年以内に取得する制度でした(※)。でも私は夫の転勤の影響で勉強開始から取得まで4年かかりました。最初の試験を申し込んだ直後に夫の転勤が決まってしまい、試験会場が変更不可だったため受験できなかったんです。当初の予定より1年多くかかりました。

※:現在は、試験は半年に1回実施され、9科目の筆記試験+実技試験。

――保育士の勉強は大変でしたか?

保育士の勉強は科目が多くて大変でした。独学では進められる自信がなかったので、通信教材(ユーキャン)を購入しました。また、子どもが赤ちゃんのときから勉強していたので勉強時間の確保がとても難しかったです。

1年目に3科目、2年目に4科目合格しました。3年目は残すところ2科目だったのですが、最後はどうしても苦手な科目だけが残ってしまいます。「誰かに教わらなければ合格できない」と、思って社会福祉協議会の短期講座を受講しました。そのおかげで、3年目に筆記試験をすべてパスすることができました。

――実技の試験はどうでしたか?

実技試験は、筆記試験9科目すべてに合格したあとに実施されました。3年目に筆記試験をパスできそうだと思ったときに、実技試験の勉強を開始。当時、実技試験は音楽・絵画・言語の3つから2つを選択することになっていました。私は音楽と言語を選択したので、実技では歌いながらのピアノ演奏がマストです。ピアノ教室の短期レッスンに通い、課題曲を何度も練習しました。

イメージ_ピアノ

周囲の協力と理解に支えられた面も

――勉強でとくに苦労したところはありましたか?

どうしても理解できなかったのは音楽理論です。どのように勉強したらいいのか悩んでいたときに、中学時代に教わっていた音楽の先生が実家の近所に住んでいることを知りました。その先生に連絡をとったところ、帰省したときに音楽を教えてもらえることに。母に子どものお世話を頼んで先生のところへ通い、試験対策をしました。合格できたのは先生のおかげだと思います。

保育士の仕事に興味がある転妻さんへ

資格は一生もの!取得することで世界は広がっていく!

――保育士の資格はおすすめですか?

保育士の資格はとてもおすすめです!私はずっと「国家資格を取って安定した仕事をしたい」と思ってきました。保育士は需要が高いので、安定して仕事を得るにはぴったりだと思います。

しかも、保育士の資格を取得して4,320時間の実務経験後に講習を受けると、幼稚園教諭免許を取得できます。実際に私ももうすぐ幼稚園教諭免許を取得する予定です。さらに実務経験を数年積むと小学校教諭免許も取得できます。このように、保育士資格を取ることで世界がどんどん広がっていくと思います。

――保育士に興味がある転妻さんへのメッセージ

保育士は日本のどこに行っても需要のある仕事だと思います。転勤族は土地を転々としていきますが、自分の核となる資格を持つことで、自分のペースで仕事ができるはずです。私は環境が変わっても、自分が変わらなければ自分のやりたいことができると考えています。変わらない自分でいるために、資格を持っていることは大事だと感じています。以前よりも資格取得しやすくなっているので、転勤先でも働き続けたい転妻さんに保育士はおすすめです。

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プージャ
Webマガジン「転勤族の妻のお仕事」ライター。転勤族歴10年超の3児の母。新婚当初からインド、ブラジルと夫の海外駐在に帯同。子どもと夫のケアに追われてないがしろになっていた自分のキャリアを取り戻すため、在宅でライターを始める。FP2級や相続診断士の資格を取得し、終活・教育分野を扱うライターとして活動中。