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第4回は、フリーランスでライフコーチをしているあいさん(40代・東京在住)。転勤族との結婚後、正社員を辞めて家庭に入りましたが、自分を見つめ直す時間をきっかけに行動を起こし、2021年9月からプロのコーチとして活動されています。
前編では
- 正社員→専業主婦→コーチの歩み
- コーチの仕事内容
について聞きました。
※記事内の情報は2021年9月時点のものです。
【転勤歴】東京→シンガポール→東京
【家族】夫、長女9歳、次女5歳
【好きなこと】▶ジョギング:学生時代は陸上部。ずっと走っていなかったけれど、2020年5月から走ることが大切な習慣に。娘が体調を崩して心配していたとき、知人に「ご自身の体も大事にしてください」と言われたことがきっかけ。自分に向き合う時間を過ごすと、心も体もスッキリ。
【取材・執筆】mia(ミア)
Webマガジン「転勤族の妻のお仕事」編集長。「転勤族と結婚したけどキャリアをあきらめたくない!」という強い思いで、2015年に会社員から独立開業してフリーランスWebライターになる。現在の本業は検索上位を狙うフリーランスのWebメディアディレクター。東京在住。
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ライフコーチになるまでのキャリア
コンサルティングファーム正社員→転勤族と結婚して退職
――結婚前はどんなお仕事をしていたんですか?
大学院の修士課程を修了後、IT系コンサルティングファームに正社員で就職しました。コンサルティングファームでは、大手企業に常駐し、コンサルタントとして複数のプロジェクトに携わっていました。そこで数年働いてから結婚したのですが、家庭との両立が大変になったのと、30代になって妊活を意識していたこともあり、会社は退職しました。
――正社員を辞めたあと、何かお仕事はしていたんですか?
妊活すると言っても、何もしないのも時間を持て余してしまうので、アルバイトで学童保育の指導員や英語の先生の仕事をしていました。学童保育の指導員になったのは、将来的にワーキングマザーになったとき利用するかもしれないから、どんなところなのか知っておきたいという思いもあったからです。
「キャリアで何も成し遂げていない」というモヤモヤ
――結婚後、キャリアでどんな悩みがありましたか?
コンサルティングファームでは、チームの一員として働いていたので、自分の仕事が直接的にクライアント企業の成果に結びついたという実感が湧きづらかったです。
また、優秀な同期が多く、自分がコンサルタントとして成長し続けられるイメージがあまり持てなかった、というのも正直な気持ちです。そんな中で仕事を辞めたので「私はキャリアで何も成し遂げていない」という思いがありました。
――そうなんですか!コンサルと聞くとそれだけでバリキャリ、華やかなイメージなので、意外なお答えでした。仕事観って、その人が育った家庭の価値観に影響されやすいと思います。あいさんはどうでしたか?
父は大学准教授、母は小学校教諭で、二人とも「仕事は好きなことに没頭するもの」という価値観でしたね。母は本当に生徒思いの教師でした。生徒の自己肯定感を育むために、生徒のよいところを学級通信に書き、毎日発行するのがこだわりでした。私と兄が寝たあとに毎晩夜中まで作業していたんですよ!
そんな両親の背中を見て育ったので、子どものころから「仕事=好きなこと」という印象しかなかったのですが、就職してみて、私にとってコンサルティングファームでの仕事は、たくさん勉強させてもらったものの、熱意をもって没頭できるものではなかったということに気づきました。
出産後は母親業に一生懸命になったのですが、24時間「お母さん」でいるのも正直しんどかったです。子ども関連ではない居場所が欲しくて、当時住んでいたマンションのコミュニティ委員になってみたりもしました。
他の委員さんはお仕事を引退した方々ばかりで、30代は私一人でしたが、同じ目的に向かって皆で話し合い、実行に移していくというプロセスがとても面白かったです。マンションの住民が交流できる夏祭り、音楽会、ワイン講座などを企画・運営したりしました。
――正社員を辞めたあとも、なにかしら社会での仕事や役割に関わっていたんですね。
そうですね。コミュニティ委員をしているときは、母親でも妻でもない自分を発揮出来て、とても楽しかったです。その後、次女の出産翌日に夫がシンガポールに転勤する内示が出て、4歳の長女、生後3カ月の次女を連れて海外生活をスタートしました。
コミュニティ委員での経験があったので、自分の居場所を求めるべく、シンガポールへ住み始めて2カ月目から日本語の絵本の読み聞かせボランティアを始めました。このボランティアをしなければ知り合えない方々とも知り合え、充実した時間でした。今でもとても良い思い出です。思いきってやってみてよかったです。
ライフコーチの仕事内容について|転勤族の妻のお仕図鑑
【働き方】フリーランス
【働く場所】自宅。オンラインで完結することがほとんど。
専業主婦からコーチへ 自分との対話から行動を起こした
――子育てに専念していたあいさんがコーチになるまでの経緯をおしえてください!
最初のきっかけは、去年から始めたジョギングです。一人で走っていると、お母さんではない自分自身に意識を向けるようになったんです。好きなことを見つけようと考えているうちに、変わりたい、自立したいという思いが強くなりました。そんなとき、Twitterで「母親アップデートコミュニティ」に出会いました。
――どんなコミュニティなんですか?
「母親をもっとおもしろく」というコンセプトのオンラインコミュニティです。2019年1月にNewspicksの『母親をアップデートせよ』というイベントを観覧したメンバーが立ち上げたコミュニティで、私は2020年7月に入りました。
メンバーの自己紹介を見ていると、子育てしながらバリバリお仕事や活動をしている方がずらり。最初は「普通の主婦の私が入っても大丈夫かな?」と気後れしてしまい、オンラインイベントがあっても顔出しできないくらいだったんです(笑)。
でも、母親アップデートコミュニティには「誰も否定しない」というたった一つのルールがあり、自分と違う考え、価値観を持った人でも受け入れ、認め合うカルチャーがあります。また、昔からいるメンバーも新しく入ったメンバーも同じようにフラットな関係性を築くことができる雰囲気です。
そんなコミュニティで、2周年祭の実行委員のリーダーをやることになったんです!他のメンバーから突然誘われたので、最初は「キャリアブランク10年の私には無理!」と思って断ってしまったのですが、落ち着いて考えると「こんなチャンスはないな」と気づいて、やっぱり引き受けることにしました。
――あいさんにとって大きなチャレンジだったんですね!
何が出来るかわからない状態からのスタートでしたが、10年前に仕事をしていた時には存在しなかったSlack(チャットツール)を使う、SNSアカウントを運営するなど、できることが少しずつ増えていきました。「思い切ってやってみるって、いいな」と思えた経験でしたね。
そうして迎えた2周年祭で、思い出深いのが、「1分ピッチ」という企画です。メンバー8人がこれからの目標などを発表するもので、それぞれ難しい状況にありながらも未来を変えていきたいという熱意にあふれていて、「すごい!応援したい」と思いました。このとき感じた応援したい気持ちが、コーチングへの興味につながりましたね。
また、仕事をするなら次こそは「できそうなこと」より「好きなこと・没頭できること」という思いもありました。大学や大学院では興味のある心理学を専攻していたので、その分野をベースにやりたい仕事を考えてみても、コーチの仕事には関心を持っていました。
コーチングを受けると計画がどんどん前に進んだ
――ご自身でコーチングを受けてみたときは、どんな感じでしたか?
初めてコーチングを受けたのは、プロコーチになるのかを悩んでいた時期でした。コーチングを受けているときは、普通の会話のように思えたのですがコーチング終了後には、自分がどうしたいのかがクリアになっていたのが、とても面白かったです。
セッションでは、コーチングを学ぶ目的、学んだあとの歩みについて話しながら、一歩踏み出すことが怖くて躊躇している自分に気がつきました。
セッション前は、コーチになるなら4月からスクールで学ぼうと思っていましたが、「4月まで待つ理由はない。行動しても失うものもない」と気づき、すぐにスクールの体験セッションの予約を入れ、2月には入学を決めました。自分としては即決、即行動できたのが驚きでした。
――コーチングスクールではどれくらい学んだんですか?
コーチングスクールの国際資格取得コースを受講し、5ヶ月で60時間学びました。授業外では、オンライン上でスクール生同士が相互セッションをして学びを深める場があったので、積極的に利用していましたね。そのおかげで、コーチングスクールの認定コーチ試験では高得点で合格しました。
多様なテーマを扱うライフコーチ 報酬はお金だけじゃない
――「ライフコーチ」はどんなお仕事ですか?
コーチングとは、コーチとクライアントさんが対等な立場でパートナー関係を築き、クライアントさんの目指すゴール(ありたい姿)に伴走する仕事です。
ライフコーチの場合は、テーマがビジネス、キャリア、人間関係、自己理解、他者理解、自分らしい生き方など、多肢に渡ります。クライアントさんのご希望に応じて、いろんなテーマでコーチングを行なっています。クライアントさんの年齢も、20〜60代と幅広いです。男女比は同じくらいですね。
セッションは1回30〜60分で、1ヶ月に2〜4回の頻度で行います。継続セッションの場合は、3ヶ月を1クールとして行っています。国際資格の取得までは低価格でセッションを行っているのですが、クライアントさんからいただいているのはお金だけではなく、自分にはない視点や考え方など、多様な刺激をもらっていると感じています。その点もやりがいにつながっています。
ライフコーチやりがい・向いている人・家庭との両立は後編で
今回はライフコーチのあいさんに、
- 正社員→専業主婦→コーチの歩み
- コーチの仕事内容
について聞きました。
続く後編では、
- お仕事のやりがい・難しさ
- 家事・子育てとの両立
などについてお聞きします!
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Webマガジン「転勤族の妻のお仕事」編集長
mia(ミア)
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「引っ越しが多い転勤族の妻は、どんなお仕事・働き方をしているんだろう?」「転勤があっても、やりたい仕事で私らしいキャリアを歩むにはどうすれば?」そんな疑問から、転勤族の妻のみなさんにインタビュー!自分も家族も大事にしながら、自分らしいキャリアを模索する転妻さんに、お話を聞くシリーズです。