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転勤族の妻×キャリアコーチ|きのこさん(30代)後編

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「引っ越しが多い転勤族の妻は、どんなお仕事・働き方をしているんだろう?」「転勤があっても、やりたい仕事で私らしいキャリアを歩むにはどうすれば?」そんな疑問から、転勤族の妻のみなさんにインタビュー!自分も家族も大事にしながら、自分らしいキャリアを模索する転妻さんに、お話を聞くシリーズです。

第1回は、フリーランスでキャリアコーチをしているきのこさん(30代・ベトナム在住)です(前編はこちら)。きのこさんは、海外に住みながら日本のクライアントさんにビデオ通話でコーチングセッションをおこなっています。

後編では、

  • お仕事のやりがい・向いている人
  • 家事・子育てとの両立

についてお聞きします!

※記事内の情報は2021年8月時点です。

▷【前編】心からやりたい仕事にであうまで|コーチってどんな仕事?

▷【記事一覧】転勤族の妻のお仕事図鑑

きのこさんプロフィール写真
きのこさん(30歳)

【出身地】香川
【転勤歴】香川→東京→ベトナム
【家族】夫、長女(3歳)、長男(1歳)
【好きなこと】▶ダンスや歌の動画を見る。TWICE、YOASOBIが好き。リズム感の良い曲で元気になれる。▶旅行・おでかけ。初めての場所・料理が好き。コスパのいい店探しにもこだわる。

【お仕事】キャリアコーチ
【働き方】フリーランス
【働く場所】自宅。仕事はオンラインで完結

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【取材・執筆】mia(ミア

Webマガジン「転勤族の妻のお仕事」編集長。「転勤族と結婚したけどキャリアをあきらめたくない!」という強い思いで、2015年に会社員から独立開業してフリーランスWebライターになる。現在の本業は検索上位を狙うフリーランスのWebメディアディレクター。東京在住。

【コーチ】やりがい・向いている人|転勤族の妻のお仕図鑑

やりがい・向いている人は?

コーチのお仕事のやりがい たった30分で人生が変わることも!

――コーチのお仕事はどんなときにやりがいを感じますか?

コーチングって、1回のセッションでも劇的な気づきを得られることがあるんです。マインドに大きな変化が起きると、クライアントさんの本来の可能性が切り開かれるような感じで、次のセッションまでにめちゃくちゃ行動していたり、目に見えなくても心の状態が大きく違っていたりするんですよ。そうった変化を感じると、「私が存在した価値があったんだ」と思えてすごく嬉しいです。

――印象的だったクライアントさんについて聞かせてください!

たった30分のセッションで、ガラッと変わった方がいらっしゃいました。「発信ができない、言いたいことが言えない」とお悩みの女性だったんですが、セッションを通して彼女の「根深い思い込み」が見つかったんです。

そこで私から「お話を聞いてこう感じましたよ。それは逆にあなたの強みだと思います」とお伝えしたら、ハッとした表情になって。その瞬間、根深い思い込みが外れて「私もできるかも」と思えたようです。

具体的な行動を決めて発信し始めたら、すごく楽しくなって自信が持てたみたいで、次のセッションでは表情も声も格段に明るくなっていて、本当にビックリしました!

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――すごーい!たった30分で「人生変わった」レベルの変化が!

その方は特にすごかったです。ご自身でも「前の私じゃないみたい」っておっしゃっていて。「失敗しても大丈夫だ」っていう感覚で挑戦できるようになって、行動量も大幅に増えていました。全4回のセッションを終えて、私からは「しばらくコーチングは必要ないですよ」とお伝えして終わりました。

――逆に、コーチのお仕事で難しいところは?

「これがあなたの強みです」と伝えても、スッと受け取っていただけないこともあります。「みんなできることだから」とおっしゃって、ご自身では全然すごいと思っていないんです。

そういうときに難しさは感じますが、「私がコーチとしてどう感じたか」ということは事実としてあるので、それを伝え続けていくしかないかなと思います。クライアントさんが本来持っている強みや価値を一緒に探すコミュニケーションをするのが、コーチの仕事かな、と。

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コーチのお仕事に向いている人は「挑戦し続ける人」

――ところで、コーチってどうやったらなれるんですか?資格が必要なんですか?

コーチング業界にはいろんな団体・組織があって、それぞれに資格制度があるんですけど、実はプロコーチとして活躍するためにマストの資格っていうのはないんですよ。

――えっ、そうなんですか!知らなかった〜。

個人的にも、資格はさほど重要じゃないなと感じてます。資格よりも実務経験。現場に出ると、知識だけでは通用しないことが山ほどあります!どれだけ実務をやって学びを得るかが、コーチとして大事だと思います。

――きのこさんはどうやって実務経験を積んだんですか?

無料セッションを50時間と、少しだけお金をいただく有料セッションを50時間、合計100時間の経験を積みました。その後に、クライアントとコーチをマッチングするサービスに登録するために試験を受けて、プロになりました。

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――転勤族の妻がコーチのお仕事をやるなら、どんな活動の形がありますか?

前編でお話ししたように、私がやっている

  • 個人で集客してセッション
  • 業務委託
  • コーチングのマッチングサービス

あたりが、メジャーな活動になるかと思います。

――ずばり、コーチとしてしっかり稼ぎたい場合は?

個人でしっかり集客する道が一番おすすめです!

――どういう人がコーチに向いていますか?

話が聞けるとか、テクニック面で優れているっていうのももろんあるんですけど、私がクライアントの立場でどんな人にコーチをお願いしたいかなって考えると、「挑戦し続ける人」「本当に望む生き方をしている人」です。

コーチという、クライアントを目的地まで運んでいく仕事をするのであれば、負けないくらいの行動量や挑戦をするべきだと思っているし、なおかつ本当に自分が望む生き方を実現している人がいいですね。それは終わり無いと思うので、探求し続けられる人がいいかなと思います。

コーチ自身が「〜しなければならない」という思い込みに縛られたり、いやいや働いていたりすると、そのマインドがコーチングにあらわれたりするんです。マインドが良くない状態だと、人の話が聞ける余白もなくなっちゃいますし。

――なるほど〜。私も「何を言うか」より「誰が言うか」が大事だと思っています。在り方が何よりも雄弁で、影響力も大きいな、と。

【コーチ】家事・子育てとの両立|転勤族の妻のお仕事図鑑

ワーク・ライフ・バランスは?

コロナ禍のロックダウン中は早起き&夫と交代で両立

――お仕事とプライベートの両立についてもおしえてください。お仕事の稼働時間はどれくらいですか?

ロックダウン前は、平日に8時間くらい稼働していました(※きのこさんが住むベトナム大都市部は、2021年4月から厳しいロックダウンが実施された)。まず朝5時に起きて、6〜7時まで仕事。子どもたち(長女3歳、長男1歳)が起きてきたら、朝食をとったり家事をしたり。

そのあと幼稚園に送り出して、だいたい8時から15時ごろまで自宅で仕事をしていました(※ベトナムは幼稚園で1歳半から預かってくれるそうです)。夜と土日は休むのがマイルールですが、クライアントさんのご希望によってはコーチングのセッションが入ることもあります。

――今は​​ロックダウン中だそうですね。お仕事に影響は出ていますか?

出ています。子どもたちを自宅で見ながら仕事しています。幼稚園はやっていないし、日常生活の移動が厳しく制限されているのでシッターさんにも来てもらえないんです。

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――日本も緊急事態宣言下の休校・休園はありましたけど、ロックダウン下はシッターさんも頼れないんですね……。

だから今は早朝に働くのと、あとは日中は夫もずっと在宅勤務なので、交代しながら……という感じですね。1日でトータル4時間くらいかな。

――ネット上で見ると、とても1日4時間とは思えないご活躍ぶりですよ!コーチのお仕事は、プライベートとの両立という点ではどうですか?

フリーランスなので基本的には両立しやすいとは思いますが、クライアントさんによっては夜や土日にセッションが入ることがあります。プライベートをちょっとだけ犠牲にせざるをえないこともありますね。

でも、それも自分次第で変えていけると考えていて、将来的にはクライアントさんに合わせてもらえることを目指すとか、仕事とプライベートとの切り分けをもっと上手くできるようになりたいですね。

「自己投資もバンバンやったら?」パートナーの理解と協力

――転勤族の妻に限りませんが、共働きの女性にはパートナーの理解と協力が不可欠だと思います。きのこさんちはどうですか?

夫は「お互い仕事をするなら、家事・育児が一人に偏るのはおかしい」という考えで、しっかり分担してくれています。それに「自己投資もバンバンやったら?」って感じなので、お金を使いすぎだとか勉強しすぎだとか言われることもないですね。

――おお〜っ、いい関係性ですね。それは結婚前から?

う〜ん……?あ!そういえば、夫が私と付き合う時の決め手は「一人でも生きていけそう」というのがあったらしいです。彼は「お互いに自分のやりたいことを持って進んでいくのがいいよね」という考えの持ち主なので。

――自立した大人のふたりなんですね

なんなら最近は私のほうが甘えちゃってますけどね(笑)。

イメージ_子育て

――パートナーとの関係はほんとに大事ですよね。

そう思います。「俺の稼いだお金だから勝手に使うな」とか言われると、やりたくても挑戦しづらいですよね。結婚や子育てでキャリアが分断されちゃうと、新しいことに投資したり準備したりする期間はどうしても出できます。そこで応援してくれる人じゃないと。

――ワーク・ライフ・バランスで気をつけていることは?

一番は、仕事とプライベートの時間をちゃんと分けること。まだ完全ではないですが意識し続けたいです。それと、やりたいことに充てる時間を増やすために「嫌なことはとことんやらない」ということも大事です!

たとえば私は、仕事では管理業務がすごく嫌いですし、書くこともあまり好きじゃないです。なるべく自動化したり、自分のやりたい方法でできる道を選んだりしたいです。

家事・子育てでも同じで、「ごはんを毎日作らなければならない」という思い込みは外しています。買ってきたものでもいいし、便利な家電を導入してもいいですよね。嫌なことをやらないで済む仕組みを作るように心がけています。

\ お仕事の満足度は? /
5点満点でおしえてもらいました!

  • 仕事内容:4点
    コーチングの仕事はとってもやりがいがあり、楽しい仕事です。ただ、まだまだ新しい仕事に挑戦できると思うので4点です。
  • 働きやすさ:4点
    フリーランスのため、自分で仕事量や時間を調整できるので働きやすいです。
    ただ対人支援の仕事のため、たまに相手の都合に合わせなければならないこともあるので、その点で1点マイナスです。
  • 収入の満足度:3点
    今はまだ駆け出しのため、収入よりも実績を重視しているため、平均よりも低い収入となっております。来年からは収入面も満足できるように、今年中にしっかり実績を積み、値上げしていきたいと考えています。

――最後に、これからやりたいことをおしえてください。

近い将来、コーチングと何かをかけあわせたサービスを提供したいです。コーチングだけでは差別化しづらいというのもあるけど、そもそもコーチングって料金相場が高いなと感じていて、今後、セッションの価格アップだけを追求することには疑問を感じます。

だったら、より価値の高いサービスを作ってクライアントさんに「この金額を払ってよかった」と満足してもらえるようにしたいですね。日本に帰ったら、いつか起業したいです。

――きのこさん、第1回目にしてめちゃくちゃ濃いインタビューになりました。ありがとうございました!

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▷【記事一覧】転勤族の妻のお仕事インタビュー

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mia(ミア)|フリーランス転妻編集長
フリーランス9年目|本業は事業会社のSEOチームの編集者|複業でインタビューライター養成プログラム主宰とWebマガジン「転勤族の妻のお仕事」運営|転勤族の妻だけどキャリアをあきらめたくない!→会社員から独立して取材・執筆・編集業へ|1986年生まれ|娘3歳